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Philosophy
of Education

教育理念

子どもの体は、単に大人の体を小さく
したものではありません。

子どもの体は常に成長しつづけています。
大人とは、骨も、筋肉も、神経も異なり、日々刻々と変化していきます。
そんな、体が未完成で、バレエの基礎を磨くべき時期の子どもたちに、プロが踊るようなヴァリエーションを踊らせることは果たして良いことなのでしょうか?

良い動きを身につけ、悪い動きを身につけないこと。
この時期に見あった方法を選び、動きのクオリティをひとつひとつ上げることが、その後のバレエ人生を大きく左右します。

信頼を育む二つのプレコンクール
Preconcours and Essentia

ラ・クラシックでは「プレコンクール」と「プレコンクール エッセンシア」の二つのプレコンクールがお選びいただけます。プレコンクールとエッセンシアの大きな違いは、点数と順位の有無です。

点数や順位がつくことで
他者との比較の中で学びを得るプレコンクール。

点数や順位がつかないからこそ
自分を磨くという本質に集中できるエッセンシア。

どちらも出場できる曲目や、審査員からのアドバイスに変わりはありません。成長の段階、個々の性格、ニーズにあわせて、自由にお選びください。

自分を知り、世界を知る。

子どもたちにとって大切なのは、経験を通して自分を知り、世界を知ることです。

プレコンクールという競争の場で感じることは、どれも素晴らしい経験です。うまく踊れて喜ぶことも、うまく踊れなくて悔しさを味わうことも、すべてが対等で大切な感情です。

同様に、エッセンシアという比較や優劣のジャッジがない場で、過度な緊張や不安に惑うことなく成果を披露できる機会も、上達したいと望む生徒たちにとって有益なものになるでしょう。

したがって、プレコンクールとエッセンシアは、優劣の関係にありません。
どちらも対等であり、あるのは「何を目的とするか」という違いのみ。
応援したいのは「バレエを通して自分を磨きたい!」という気持ちです。

幼少期のバレエ教育で考えるべきこと
―― 正しい体の使い方を学ぶ

全身の骨が骨化するのはおよそ8歳。
成長期の子どもの体は、軟骨が多く、やわらかくて不安定です。
また、人間の脳神経機能は、12歳〜13歳までに90%程が完成しますが、筋力は成人の50%程度しか成長しません。

骨も筋肉も未熟な幼少期には、正しい動きの大本となる神経回路をきちんと育むこと、つまり、正しい体の使い方を正確に学び、「動きの質」を優先させ、一つ一つの動きを適切に練習することが大切です。

また、骨がやわらかく筋力もない幼少期に、適切ではない動きを繰り返し行うと、良くない癖を身につけてしまうだけでなく、側湾症・外反母趾・脚のねじれ・腰痛など、将来的にさまざまな問題を起こすリスクが高まります。
体の成長をきちんと見守ること。無理な負荷をかけず、適切な動きを繰り返すこと。段階的な教育が、なによりも大切です。

5歳には5歳の、8歳には8歳の「身につけるべき動き」があります。
当コンクールの課題曲では、解剖学的視点により、子どもの成長に即した動きを取り入れています。練習をくりかえすことで、確実に次のステップへつながり、未来へと発展していきます。

日常動作はできていますか?
―― バレエの基礎を身につける前に

息を吸う、吐くといった呼吸。立つ、歩く、走る、といった日常動作。それらが不安定であれば、バレエのすべての動きにおいて、質を上げることはできません。日常動作を「ダンサーとして相応しい高いレベル」で行うことが、バレエの基礎を身につけるための第一歩です。

まずはパラレルで、胸の重心を高く保つこと、背骨と体幹を安定させること、股関節・膝・足首の屈曲を正しく行うこと。さらに、それらをアン・ドゥオールの中で行い、ひとつひとつの動きの中で保ちつづけること。ポジションや型をまねることに終始するのではなく、安定感のある機能的で美しい動きを目指すことで、長く美しく踊りつづけることができます。

※出場者および指導者の先生方に向けて、バレエ解剖学の視点におけるワークショップや課題曲のポイントをお伝えする機会を予定しております。詳細決定後お知らせいたします。

ラ・クラシック
全国プレバレエコンクール