バレエワークショップ2013年の様子「テラピークラス」

第3回: テラピークラスの様子<1>

バレエダンサーのためのフロアエクササイズ「テラピー」の昨年のクラスの様子をお届けします。

「テラピーって何?」

と思われる方は多いでしょう。

テラピーとは、

フランス語で「治療」という意味ですが、

治療的な身体に優しいリハビリのようなもの、というよりは、

バレエダンサーのためのトレーニング、まさしく「訓練」です。

 

バレエを踊るためには、相当な柔軟性と筋力が必要です。特に、ただ筋力があれば良いのではなく、身体の深層部にあるインナーマッスルを優位に使うことによって、しなやかで細長い筋肉をつけなければなりません。アスリート並みの動きを、優雅にしなやかに行うことで、美しく理想的なダンサーの身体を作り上げる。それがテラピーというエクササイズです。

パリ・オペラ座学校教師によるバレエワークショップ2013年の様子「テラピークラス」

テラピーでは様々な動きを行いますが、その多くが、関節の可動域を最大限に広げながら、筋肉の柔軟性を高めた状態で行うものです。バレエのためのエクササイズには、様々なメソッドや流派がありますが、その中でもテラピーは、おそらく最も柔軟性を養うことができるエクササイズの一つではないかと思われます。

パリ・オペラ座学校教師によるバレエワークショップ2013年の様子「テラピークラス」

また、多くの動きがターンアウトをした状態で行われ、バレエを踊る上で最も重要である「ターンアウトを保つためのコントロール能力 が、全身を通して養われます。ターンアウトをした状態で限界まで動くというのは身体的に厳しいものですが、そうした身体的に厳しい動きを、幾度もくり返し練習することで、バレエダンサーのために特化した筋肉の使い方を身体に覚え込ませていきます。正直言って、かなりきついクラスですが、終わった後には確実に身体が開かれ、踊りやすくなるのを感じることでしょう。

パリ・オペラ座学校教師によるバレエワークショップ2013年の様子「テラピークラス」

バレエダンサーの美しさとは、こうした限界に挑戦する中から生まれるものなのだ・・・と改めて感じさせられます。

次回はさらにエクササイズをご紹介しますので、お楽しみに!

(2014年6月7日)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です