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未来ある生徒たちに本物のバレエを伝えたい。真にバレエを楽しむ人を増やすことで、
バレエという文化・芸術の発展に寄与したい。
それが、Ai Ballet Academyが開催する、この講習会の大きな目的です。
クラシック・バレエを学ぶ上で最も重要なことが、基礎をきちんと身につけるということです。クラシック・バレエの美しさは、その優美で厳格な「型」から生まれます。バレエの型を守りながら、自由に表現できた時、クラシック・バレエとしての本当の美しさを体現したと言えるでしょう。
マーク・ドゥ・ブエ先生は、その豊かな解剖学的知識と長きに渡る指導経験から、子どもにどのように基礎を教えるかを熟知されています。
「型」を守ることで体の各部位が正しい位置に配置され、内部の力がつながり動きのエネルギーが循環した時、「型」を超えて自由な踊りを踊ることができます。そのベースとなるプレースメントの改善は、忍耐を必要とする地道な作業です。子どもの踊りたい気持ちを重視しながらも、年齢やレベルに見合う内容を適切に選び、生徒を温かく見守りながら可能性を伸ばすことに情熱を燃やすマーク先生は、数少ない本物の指導者のお一人です。
基礎をどのように指導するかということは、指導者にとって一番難しい問題です。型を追い求めながらも、実際の生徒の限界を目の当たりにし、日々考えあぐねることも少なくありません。そうした時に、生徒の可能性を信じ、どんなに条件の悪い生徒であっても、必ず良くなると信じて止まないマーク先生の教育に対してのあり方は、指導者にとって大きな指針となります。解剖学的な知識を元に、理論的に感覚を育てることを重視した指導法は、メソッドを超えて学ぶべき教育の本質であることから、多くの指導者に刺激とインスピレーションをもたらし、日本のバレエ界の発展に寄与することとなるでしょう。
マーク先生が第一人者として指導される「バレエテラピー」は、バレエダンサーのためのフロア・エクササイズです。ヨガやピラティスの要素を取り入れながら、プロフェッショナルダンサーを育成するためにより専門的に高度に進化させたトレーニングで、バレエに必要な筋力や柔軟性はもちろん、持久力や瞬発力、空間に対してのバランス感覚等を総合的に養います。バレエレッスンの前にこれらの訓練を行うことにより、身体を開き、鍛え、感覚を目覚めさせ、その上でクラスレッスンにのぞむことで、身体の持つ可能性を最大限に引き出すことができます。特に、バレエで大切なターンアウトや背骨の伸展、脚のエクステンションにも特化し、またバレエレッスンでは鍛えにくい肩や腕の力を鍛え、全身のコーディネーションも身につけることができます。
ハードなトレーニングが鍛えるのは筋肉だけではありません。限界から一歩先へ進むためのメンタリティもバレエにおいて大事なものです。自分で決めた枠から一歩踏み出し、新たな可能性を知るきっかけとなりますので、ぜひ自ら挑戦する気持ちを持って取り組んでいただきたいと思います。
ジュニアコースの「アナトミー&コンディショニング」では、西洋を起源とするバレエを、日本人の身体でどのように学んでいくかということを考えながら、踊るために必要な解剖学的知識とケアの方法を、理論と感覚で学びます。踊りやすい身体を作るためには、バレエ解剖学の知識を元に、「どう実践するか」を知る必要があります。
今回の講習会では、ポワントを履くために身につけるべき感覚と筋力にフォーカスし、足裏のアーチをどのように鍛えるか、また体幹を安定させ引き上げるために何をすべきかといった内容をわかりやすくお話しします。ポワントで立ち、踊るということはとても高度な技術を要します。バレエシューズで踊れていても、ポワントで踊るとなると全く違った筋力と感覚が必要になります。足についてはもちろん、全身のコントロールで重要なポイントをお伝えしていきます。
保護者さまがお子さまをサポートするための解剖学的視点をわかりやすくお伝えする「保護者のための解剖学」、親子でコンディショニングの方法を学ぶ「親子で学ぶアナトミー&コンディショニング」も開講いたします。保護者の皆さまのお力で、お子様のバレエ人生が変わるといっても過言ではありません。保護者さまが正しい知識を身につけることで、お子さまの可能性が適切に開かれるよう、解剖学のさわりをお伝えいたします。
少ない時間ではありますが、バレエの奥深い魅力を体感し、バレエの世界を自由に飛び回るきっかけとなることを願っております。